2020.03.19更新
金庫の専門家が丁寧に教えます!
「金庫を新しく購入したいんだけど、どれがいいのかな?」
「そもそも金庫の種類ってどのくらいあるんだ?」
「選び方がわからないし、適当に買いたくないし、どうしよう…」
あなたは今、金庫の種類やそれぞれの違いがわからずにお困りではないでしょうか?
種類ごとの特徴や、「どんな違いがあるのか」がわからないままだと、なかなか購入に踏み出せないですよね。
この記事では金庫の鍵開けのプロ・宮本が、次の3つのことを詳しく紹介してまいります。
- 金庫の種類
- 金庫の鍵タイプ
- 失敗しない金庫の選び方
また、最後に実際に起こりやすい金庫のトラブルもお伝えします。
トラブルについても知った上で、購入の際の参考になさってくださいね。
「金庫の種類を詳しく知りたい!」とお考えのあなたの力になれたら幸いです。
それでは詳しく見ていきましょう!
※「金庫が開かない!」「金庫を処分したい!」とお悩みの方は金庫110番へお気軽にお問い合わせください。
金庫の鍵開けから処分まで、しっかりとサポートいたします。
金庫の種類は大きく分けて2つ
「金庫の種類がいろいろありすぎて迷う」
「正直、何が違うのかわからない…」
とお悩みの方がいらっしゃるかと思います。
実は、金庫の種類は大きく見るとたったの2種類に分けられるんです。
使用する場面や中に保管したいものによって適切なタイプが変わりますので、それぞれの特徴と性能を詳しくチェックしましょう。
火災・温度変化に耐える「耐火金庫」
「耐火金庫」とはその名の通り、火に耐えられる金庫のこと。
主に火災対策のため、家庭用金庫として使用されます。
耐火金庫は重要書類や貨幣、通帳などの燃えやすいものや、温度変化に弱い磁気ディスクなどの保管に最適です。
そもそも多くの金庫は耐火性能を持ち合わせていますが、中でもJIS規格(日本工業規格)という国家規格の基準をクリアした金庫のみが「耐火金庫」と呼ばれます。
JIS規格では、夜間の火災やビル火災など消化活動が難しい状況を想定し、耐火性能の基準を設けているんです。
ちなみにこの耐火性能とは、金庫内最高温度が177度以下に保たれることとされています。
また、光ディスク・フロッピーディスクなどの保管に特化した「データセーフ金庫」も耐火金庫の一種です。
データセーフ金庫の耐火性能は庫内温度52度以下・湿度80%以下と、通常の耐火金庫よりも厳しく設定されています。
「耐火金庫」、盗難対策には不向き?
耐火金庫はあくまで火災対策を目的とした金庫です。
そのため、工具による破壊や鍵のこじ開けには耐えられないことも…。
とくに盗難対策のために金庫を使用したいという方は、次にお伝えする防盗金庫が適しています!
防犯面に特化した「防盗金庫」
「防盗金庫」とは耐火性能に加え、盗難防止のためにより頑丈に作られた金庫です。
とくに盗難のリスクが大きい宝石・貴金属などの保管に適しています。
耐火性能は耐火金庫に比べて劣りますが、工具による破壊・鍵のこじ開けに耐えられる頑丈さを持っているんです。
防盗金庫の頑丈さは、日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会が行う防盗試験によってテストされています。
- 施錠装置への攻撃
- 扉をこじ開ける試み及びカンヌキを解放する試み
- 庫内に侵入口を開ける試み
さまざまな破壊行動を想定してテストされていると考えると、防犯面に関しては安心できますよね。
さらに金庫ごと盗まれるのを防ぐため、金庫自体に重さがあることも大きな特徴です。
業務用金庫として使用される防盗金庫は300kg〜2tの重さを持っています。
防盗金庫購入の際は、金庫を置く床が重さに耐えられるかどうかを確認しましょう。
その他の金庫は?
金庫には大きく分けて耐火金庫・防盗金庫の2種類がありました。
これらの性能を持ちつつ、さらに特徴的な機能を持った金庫がありますのでご紹介します。
投入式金庫
投入式金庫とは、金庫の上部から入れたものが金庫下部に移動して保管される金庫のことです。
管理者のみが下部を開けて中身を取り出せます。
つまり誰でも金庫にモノを入れられますが、取り出せるのは管理者のみという仕組み。
神社のお賽銭箱のようなイメージですね。
投入式金庫は、主に現金管理に使用されています。
手提げ金庫
手提げ金庫とは持ち運び可能な小型金庫のこと。
場所を取らずに収納できるため、企業や教育機関などでの小口現金の管理に適しています。
シークレット金庫
シークレット金庫とは、金庫には見えないような細工が施された金庫のこと。
防盗金庫の一種と考えてよいでしょう。
本のような見た目でカモフラージュされていたり、壁や床に埋め込んで存在をわからなくしたりと、細工のバリエーションは多数。
家庭用・業務用ともに重宝される金庫です。
さて、ここまでは金庫の種類をお伝えしてまいりました。
ここからさらに鍵のタイプがいくつかに分かれます。それぞれセキュリティ性能も使い方も大きく変わってきますので、一緒に確認していきましょう!
金庫の鍵タイプと性能
「鍵のタイプはダイヤル式しか知らないけど…他にもあるの?」
「セキュリティ的に安心できるのはどれなんだろう?」
金庫の鍵のタイプはさまざまです。
いくら性能が高くても、使用者であるあなた自身が使いこなせないのはもったいないですよね。
とくに重要な書類や貴金属、現金などを扱うものですので、購入の際は慎重に選ぶ必要があります。
それぞれの鍵タイプの特徴とメリット・デメリットを確認してみましょう。
ダイヤル式
ダイヤル式とは、扉にあるダイヤル錠と鍵穴で開閉する鍵タイプを指します。
ダイヤルの数値を「右に3回…左に5回…」などと決められた数だけ回すことで解錠させる仕組みです。
〈メリット〉
開閉に時間がかかる(盗難防止対策になる)
〈デメリット〉
開閉に時間がかかる(使いにくい)
ダイヤル番号を忘れるリスクがある
金庫の鍵タイプとしては一般的ですが、どうしても「番号を忘れてしまった」というトラブルは尽きないものです。
中には「暗証番号のメモを金庫の中に入れてしまった…」というお客様もいらっしゃいました。
スマートフォンのメモに記入したり、紙に書いたメモをいくつか別の場所に保管したり、番号をすぐに思い起こすための工夫が必要です。
【関連】金庫が開かない方必見!金庫の正しい開け方、ダイヤルの合わせ方
シリンダー錠式
シリンダー錠式とは、「鍵のみ」で開閉する鍵タイプのこと。
「難しい操作は面倒!」という方、そして金庫を開け閉めする機会が多い方にとくにオススメです。
〈メリット〉
開閉がカンタン
ダイヤル・暗証番号の忘れなどのリスクが無い
〈デメリット〉
他の金庫に比べて防犯性が劣る
鍵紛失のリスクがある
金庫の使用機会が多い方にとっては、鍵1本で開閉できる使い勝手のよいものです。
ただしその分、他の鍵タイプに比べるとセキュリティ性能では不安が残ります。
鍵を紛失するトラブルも多発するため、「セキュリティを強化したい」「物を失くしやすい…」という方は他の鍵タイプを選びましょう。
【関連】金庫の鍵を紛失したらどうする?確実に金庫を開ける3つの対処法
電子テンキー式
電子テンキー式とは、暗証番号をボタンで入力する鍵タイプです。
暗証番号を入力したら、ツマミもしくは鍵を回して解錠します。
開閉のカンタンさはシリンダー錠式には劣りますが、セキュリティ性能を保ちつつも比較的少ない手順で開閉できるんです。
セキュリティ性能を重視される方、そして金庫の使用機会が多い方にオススメします。
また、「誰がいつ金庫を開閉したのか」がわかる履歴保存テンキー式金庫もオススメです。
こちらは金庫を使用する人それぞれに暗証番号を発行し、その暗証番号が入力されたタイミングが管理システムに記録される仕組みの金庫です。
複数名で金庫を管理されている方、セキュリティ性能をさらに重視したい方は検討してみましょう。
〈メリット〉
複雑な操作が必要ない(=開閉がカンタン)
セキュリティ性能が高い
〈デメリット〉
暗証番号を忘れるリスクがある
電池切れの場合は解錠できない
テンキー式金庫は電池で作動するため、定期的な電池交換が必要です。
アルカリ電池ですと、1日2回の開閉でおよそ1年間は持ちます。
電池交換のタイミングを記録して、1年おきに電池交換を行いましょう。
【関連】これって電池切れ!?テンキー式金庫が反応しない原因と金庫の開け方
指紋照合式・静脈認証式
指紋照合式とは、その名の通り指紋を照合させることで解錠する鍵タイプ。
「指紋」という複製が難しい個人データを使用しているため、セキュリティ性能はバッチリです。
また、同様に指の静脈パターンで個人認証を行う指静脈認証式も、セキュリティ性能は安心できるもの。
他の鍵タイプに比べて値段は張りますが、それでも防犯対策に力を入れたい方にオススメします。
〈メリット〉
鍵や暗証番号が不要(=開閉がカンタン)
個人認証のためセキュリティ性能が高い
〈デメリット〉
指を負傷すると解錠できないリスクがある
使用者の指そのものを鍵として使える便利な側面がある一方、その指が使えなくなると金庫を解錠できなくなってしまうリスクがあります。
また、指紋や静脈を登録した人以外は解錠できないという点も「使いにくさ」につながるかもしれません。
防犯面を重視するか使いやすさを重視するか、用途に応じた検討が必要です。
その他の鍵タイプは?
ダイヤル式、テンキー式などメジャーな鍵タイプの他にも、ICカード式やマグロック式など、特徴的な鍵タイプも重宝されているんです。
これらは、その名の通りICカード・マグネットキーを使用します。
操作方法はカンタンですが、やはり紛失のリスクがあることも覚えておきましょう。
さらにこれらの鍵タイプを複数組み合わせた、マルチロック式も多く使用されます。
とくにセキュリティ性能を重視する方には最適です。
金庫110番では、このような特徴的な鍵タイプのトラブルも対応可能です。
もしお困りでしたら、お気軽にお問い合わせくださいね。金庫のプロがすぐに駆けつけます。
失敗しない金庫の選び方2ステップ
さて、ここまで金庫の種類と鍵の種類を詳しくお伝えしてまいりました。
「で、結局この中からどうやって選べばいいの?」
と疑問をお持ちの方がいらっしゃるかと思います。
金庫は何度も買い換える商品ではないですし、とくに家庭用金庫の場合は安い買い物でもありません。
「やっぱりこの種類を購入すればよかった!」なんて後悔したくないですよね。
金庫の購入に失敗しないためには、次の2ステップで金庫を選びましょう。
- 「収納物の特徴」で金庫の種類を選ぶ
- 「使い勝手」で鍵の種類を選ぶ
それぞれ解説いたします。
1.「収納物の特徴」で金庫の種類を選ぶ
金庫を選ぶ際は、まず金庫に収納したい物の特徴を考えましょう!
金庫の種類は耐火金庫・防盗金庫に分かれていましたね。
収納物の特徴によって、火災対策・盗難対策のどちらに力を入れるべきかが異なります。
一例として、それぞれ適した収納物を例として挙げてみました。
耐火金庫と防盗金庫のどちらが最適か、あなたが金庫に収納したいと考えているものを想像しながら確認してみましょう。
〈耐火金庫〉
手紙、写真、重要書類(保険証券・権利証・契約書など)、通帳、現金、磁気メディアなど
〈防盗金庫〉
宝石、貴金属、現金、機密文書などとくに盗難対策が必要なもの
防盗金庫も耐火性を備えていますので、火災ですべて燃えてしまう!ということはありません。
とくに盗難のリスクが大きいものは、防盗金庫に保管することをオススメします。
「耐火性が一番大事だけど、セキュリティ性能をおろそかにしたくない…」
そんな時は、耐火金庫でもセキュリティ性能の高い鍵タイプを選択すれば安心です。
2.「使い勝手」で鍵の種類を選ぶ
金庫の種類が決まったら、鍵の種類を決定します。
セキュリティ性ももちろん重要ですが、使用者にとって「使い勝手がよいかどうか」も大切なポイントです。
たとえば1日に何度も金庫を使う場合、開閉の手順がカンタンなテンキー式や指紋認証式がオススメです。 開閉方法が複雑な金庫を選んでしまうと、金庫の開閉の度に時間がかかってしまいます。
反対に、次のようなケースは複雑な鍵開け手順の金庫が最適です。
- めったに金庫を開ける機会がない
- セキュリティ性をとくに重視したい
鍵の種類を選ぶ際は、使用シーンを考えてみましょう!
【おまけ】知っておきたい頻出トラブルと対処法
「金庫を購入したはいいけど…トラブルが起こってしまった!」
そんな時にぜひ読んでいただきたい対処法をまとめてみました。
ぜひ参考になさってくださいね。
「暗証番号を忘れてしまった!」
暗証番号の入力が必要なテンキー式の金庫で頻出するトラブルです。
「今すぐ中のものを取り出したいのに…どうしよう!」と焦ってしまいますよね。
そんな時に行っていただきたい対処法は次の4つです。
- 思いつく番号を入力する
- 製造元に問い合わせて番号を照会する
- 金庫を壊す
- 金庫の鍵開け業者に依頼する
「思いつく番号ならもう入力してるよ!」という方も多いのですが、焦らず落ち着いて思い出してみると案外カンタンに金庫が開くケースがあるんです。
こちらの記事で詳しく解説していますので、もし暗証番号を忘れてお困りの際はご覧くださいね。
【関連】暗証番号を忘れた方必見!番号がわからない金庫を開ける4つの方法
「鍵も番号も合ってるのに開かない!」
使う鍵も暗証番号も合っているのになぜか金庫が開かない。
この場合は、金庫の中の収納物が詰まってしまっている可能性があります。
力づくの方法ではありますが、次の3ステップを試してみましょう。
- 鍵をさすor暗証番号を合わせてロックが外れた状態にする
- マイナスドライバーを金庫の扉の隙間に入れる
- ドライバーを上下させて扉をこじ開ける
マイナスドライバーをお持ちでない方は、定規など平たくて硬いアイテムであれば代用可能です。
もしそれでも開かない!という場合は、金庫110番へお気軽にご相談ください。
電話1本で、鍵開けのプロがあなたのもとへ駆けつけます。
「鍵穴の中で鍵が折れた!」
鍵を回そうとしたらそのまま折れてしまった…。
そんな時は、まずピンセットで取り出せないか試してみましょう。
取り出したらそのまま使い続けることはせずに、スペアキーの作成をオススメします。
「接着剤でくっつければOK!」とお考えの方が多いのですが、再び鍵が折れてしまうのは時間の問題です。
使用年数が長い鍵はとくに折れやすくなっているため、思い切って新しい鍵を作成しましょう。
自力で鍵の取り出しが難しい場合は、鍵開け業者に頼むのも一つの手段です。
さいごに
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
金庫の種類、そして鍵の種類について、疑問は解決されたでしょうか?
この記事では次のことをお伝えしてまいりました。
- 金庫の種類は耐火金庫・防盗金庫の2つ
- 鍵の種類ごとの特徴とセキュリティ性能
- 金庫は収納物の特徴と使い勝手で選ぶ
金庫の購入、もしくは買い換えを検討されている場合はぜひ参考にしてみてくださいね。
「買い換えを検討しているんだけど、不要な金庫はどうすればいいんだろう?」
そんな場合はぜひ金庫110番にご相談ください。
不要な金庫の引き取り・処分も、無料でお見積もりを受け付けております。
以上、金庫の鍵開けのプロ・宮本がお届けしてまいりました。
金庫でお悩みのあなたの力になれたら幸いです。
この記事を監修した金庫の専門家
2020.03.19更新
宮本 信志(みやもと しんじ)
金庫の種類は、本体の耐火性能や鍵タイプごとにさまざまです。大事なものを扱う金庫ですので、購入の際は慎重に選んでくださいね。また、「金庫が開かない」「反応しない」「鍵を失くした」といったトラブルの対処法を確認しておくと安心です。