家庭用の耐火金庫に、年金の書類や保険の書類、大切な家族写真を保管しています。
25年前に購入した金庫なのですが、だいぶ年季が入ってきました。
そこでふと思ったのですが、金庫には寿命があるのでしょうか?
あるとしたら何年ぐらいなのでしょうか?
もし今使っている金庫が寿命を過ぎているとしたらとても不安です。
保管しているものを守るためにも、新しく買い替えるべきか迷っています…。
金庫の耐用年数は「製造後20年」です。
金庫110番の宮本がお答えしますね。
金庫の耐用年数は、日本セーフ・ファニチュア協同連合会によって製造から20年と定められています。
製造から20年が過ぎると、経年劣化によって金庫の耐火性能が低下してしまうんです。
耐火性能が低下していると、万が一火災が起きた場合に収納物を守れないことも…。
相談者様の場合は25年ほど経過しているとのことなので、収納物を守るためにも新しい金庫に買い替えることがオススメです。
製造年月は、金庫の裏側や扉の内側に張ってあるステッカーで確認できます。
「自分の金庫が製造から何年経っているかわからない」という方は、このステッカーを確認してみましょう。
加えて、「どうして”20年”と決まっているの?」と疑問を持った方がいるかもしれませんね。
なぜ金庫の寿命が20年なのか、このあと詳しく解説いたします!
▶︎「すぐに金庫を処分してしまいたい!」という方は金庫110番へご相談ください。
金庫のプロが、処分・引き取りから買い替えまでご対応します。
耐火金庫のメカニズムとは
そもそも耐火金庫とは、収納物を火災から守るために「庫内最高温度177度以下」という基準をクリアした金庫のこと。
耐火金庫の内側は、「気泡コンクリート」でみっちりと埋められています。
「気泡コンクリート?何それ…?」とハテナが浮かびますよね。
気泡コンクリートにはその名の通り気泡があるコンクリートのことで、コンクリート内部には水分が含まれています。
火災時に金庫の温度が上昇すると、気泡コンクリートの水分が水蒸気に変化。
この水蒸気が庫内を冷やすことで、庫内温度を177度以下に保っているんです。
さらに水蒸気がコンクリートから噴き出されることによって、炎が庫内に入ってしまうことも防いでいます。
つまり金庫の耐火性能は、気泡コンクリート内部の水分によって保たれているんです。
海外の実験ですが、耐火テストを行なった動画がアップロードされています。
金庫から水蒸気が出てくる様子が確認できるので、気になる方はご覧になってみてくださいね。
耐火性能は20年で20%低下する!
金庫は製造から20年が経過すると、耐火性能を果たせなくなるとされています。
なぜなら、気泡コンクリートに含まれた水分が徐々に蒸発して20年で20%減少してしまうからです。
日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会では、実際に金庫を使って以下の実験を行なっています。
- 耐火金庫(製造後5年〜30年)の耐火材の水分量を測定する実験
- 耐火金庫(製造後15年〜21年)を対象にした耐火試験
実験の結果、もともと気泡コンクリートに含まれていた水分は、製造から20年で20%ほど気化していたことが明らかになりました。
(参考:日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会『金庫の耐用年数』)
水分が減少すると庫内温度を177度以下に保つことが難しくなり、耐火金庫としての寿命を迎えてしまいます。
そのため、「金庫の耐用年数は製造から20年」とされているんです!
防盗金庫の耐火性能は?
「うちの金庫は耐火金庫じゃなくて防盗金庫なんだけど…防盗金庫の寿命はどれくらいなの?」と疑問を持っている方がいらっしゃるかもしれません。
防盗金庫の場合も、耐火性能の寿命は20年と考えていいでしょう。
防盗金庫とは、耐火性能に加えてセキュリティ面が強化された金庫です。
そのため、耐火性能に関しては通常の耐火金庫と大きな変化はありません。
金庫を設置する環境や使用状況によって少しずつ異なりますが、製造から年数を重ねるごとに耐火性能が低下していくことを覚えておいてくださいね。
20年が過ぎたら処分・買い替えを検討しましょう
金庫の製造年月を確認し、「製造から20年が過ぎている」という方は金庫の買い替えをオススメします。
「耐火性能が低下すると言っても、そんなカンタンに火災が起きるわけじゃないし…」
「買い替えるのはもったいないし、このまま使い続けても大丈夫じゃない?」
と思う方がいるかもしれませんね。
しかし見た目ではなかなかわからないものの、金庫の耐火性能は確実に低下しています。
万が一の際に収納物がすべて無くなってしまうリスクを考えると、新しい金庫への買い換えが安心です。
とくに写真などの大切な思い出や、契約書などの重要書類を保管している方は要注意ですよ…!
書類の再発行手続きなど面倒な手間がかかる上に、精神的なショックも大きいものです。
もしものことが起こる前に、買い替えを検討してみてくださいね。
また、不要になった金庫を処分する際はゴミとして廃棄できないことを覚えておきましょう。
先ほどもお伝えしたように、金庫はその耐火性能のために特殊な素材を使用しています。
そのため、自治体では一般ゴミとして取り扱っていないケースがほとんどです。
まずはお住いの自治体ホームページで、金庫の処分方法を確認してみましょう。
詳しくはこちらの記事でも解説しています。
【関連】金庫を処分したい人必見!損をしない耐火金庫のオトクな処分方法
処分・買い替えは金庫の専門業者に相談を
「処分するといっても、どうすればいいかわからない…」
「引き取り先を探すのもなんだか面倒だな」
寿命を迎えた金庫の処分方法で迷ったら、金庫の専門業者に相談してみましょう。
金庫処分を行なう業者は数多くいるのですが、オススメはやはり金庫を専門に扱う業者です。
金庫の専門業者は、金庫の価値や構造、正しい処分方法といった専門知識を持っています。この知識を持っていることで、適正な価格で処分できるんです。
さらにその場で新しい金庫も購入できるため、買い替えまでがスムーズに進みますよ!
金庫110番でも、不要になった金庫の処分を受け付けています。
その場で新しい金庫もご提案できますので、まずはお気軽にお電話くださいね。
金庫を知り尽くしたプロのスタッフが、丁寧にご対応いたします!
この記事が、あなたの金庫の不安を解消する手助けになれば幸いです。
この記事を監修した金庫の専門家
2020.03.19更新
宮本 信志(みやもと しんじ)
金庫の寿命は製造後20年です。もちろん使い物にならないわけではありませんが、鍵のサビ・扉の建て付けの悪化から金庫が開かなくなることも。製造から20年を過ぎた金庫は、処分・買い替えを検討してみましょう。